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Andrea Oberto

2005 Barolo Vigneto Rocche, Andrea Oberto

 非常に濃いルビー色。澱はない。
 香りが閉じていたのでデキャンタージュした。ダークチェリーやブラックベリーのコンフィ、ミネラル、タール、黒オリーブ、タイム、なめし革、クリーム、ヴァニラ、黒土、きのこなど。複雑で緻密な香り。
 味わいは、多量のタンニンが溶け込みなめらかで、ミッドは厚く、アルコールが高くかなりどっしりとしている。口当りはとてもスタイリッシュな印象だが、あとからじんわりと重量感を感じるタイプ。アルコールが14.5%もあるのに、それを意識させられずにグラスが進む。
 いわゆるバローロ・ボーイズ的な洗練とクラシカルなバローロの融合を目指しているのだろうか。
(調べたら実際にバリックと大樽とそれぞれで醸したものをブレンドしていた、予想当たり。。)
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  カプレーゼ
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  白アスパラガスと生ハム
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  五色のコンキリエ 蟹のトマトクリーム・ソース
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by musignytheo | 2013-10-28 20:08 | wine | Trackback | Comments(0)

Jordan

2007 Cabernet Sauvignon, Alexander Valley, Jordan

 とても濃いルビー色。深い色合いで赤のニュアンスが強い。澱はなし。
 ブラックベリーやダークチェリーのコンフィ、オレガノ、リコリス、メース、ヴァニラ、シダ、杉、腐葉土、ブラウンマッシュルームなどの香り。複雑でしかもどれ一つとして突出しない。
 味わいは、なめらかで濃縮されたタンニン、デリケートで上品な酸、ふくよかで上品な中盤と洗練されている。カリフォルニアワインにありがちなオークの厚化粧は皆無で、球体のようにバランスのとれたワイン。
 初めから充分開いていて終始その様子に変化はなかった。素晴らしいと思うのにフィネスを感じないのはなぜだろう。
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  ロマネスコ・ブロッコリー
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  ファルファッレとリガトーニ 栗とベーコンのクリームソース
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by musignytheo | 2013-10-23 19:28 | wine | Trackback | Comments(0)

Parosmia 5

 7月末に異嗅症を発症し、揮発性の物質、ローズマリーなどのハーブ、ワイン、ある種の果物などに一つの異臭を感じるようになりました。
 しばらく様子を見ていましたが、盆を過ぎても不快な匂いの出現が収まらず、また耳鼻科にかかっても診断が得られなかったのをきっかけにこの症候について調べはじめ、異嗅症という病態があることを知りました。

<診断>(感冒後異嗅症)
 典型的な症状であれば、問診だけで診断がつくでしょう。
 ・感冒後嗅覚低下が見られたが、2ヶ月から数ヶ月を経て異臭を感じるようになる。
 ・異臭は特定の物質に対して感じ、どの原因物質でもほぼ同じ不快な匂いとして捉える。
 ・異臭はかつて嗅いだことのないような、石油のような匂いである。
 以上が典型的な問診内容です。
 鼻腔や副鼻腔の炎症による嗅覚障害の否定には耳鼻科的診察、腫瘍などによる嗅覚中枢の障害の否定にはMRI検査が有効です。嗅覚障害の程度や質を診断する方法には、T&Tオルファクトメータという基準臭を用いた閾値検査があります。

 厳密な嗅覚検査ではありませんが、試みにワインの香りのサンプルである "Le Netz du Vin" で嗅覚をチェックしてみました。
 治療開始前、8月下旬のことです。
 おそるおそるのテストでしたが、私の場合、53サンプルのすべての香りが異臭をともなわず嗅ぎ分けられたのです。
 香りの元となる分子は2000以上と考えられていて、それに比べたら勿論小さなサンプル数ですが、まさかすべて分かるとは思っていませんでした。
 肝心の本物のワインで異嗅を生じるのですから皮肉なものです。
 ただ、しばらく異嗅症と付き合ってみて、異臭を感じるのはワインでもハーブでも初めのアッタクにのみで、アルコールやエーテルなどによって立ちあがってくる匂いが異嗅の原因物質になっているように思えます。そういう揮発性の物質が去ったあとには、本来の香りを嗅ぎ分けることが出来るのです。
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<治療>
 残念ながら、感冒後異嗅症に対する充分なエヴィデンスを有した治療法はありません。
 一般に副腎皮質ステロイド剤の点鼻や内服、ビタミンB12製剤の内服などが用いられているようですが、PubMedで検索しても治療の科学的根拠となるような論文は見あたりませんでした。
 ウェブ上を検索すると、早期に副腎皮質ホルモンを使用しないと手遅れになるといった書き込みが散見されますが、これまで書いてきました異嗅症の発症機序を考えますと根拠に乏しいと思われます。それに発症時期が感冒後何ヶ月かを経てからですので、早期治療のしようがありません。
 かぜをひいて少しでも匂いが分かりづらくなったらすぐにステロイドというは、疾患の頻度を考慮すれば現実的でないと思います。

 例えば頻度の比較的高い末梢性顔面神経麻痺では、早期のステロイド治療が予後を改善させるというエヴィデンスが存在します。
 しかし顔面神経の細胞と嗅細胞の決定的な違いは、前者が再生能力に乏しいのに比し後者は常に脱落、新生をくり返しているところにあります。
 また、末梢性顔面神経麻痺の発症機序においては免疫学的な異常が関与していると考えられていますが、感冒後異嗅症ではそれはちょっと考えにくいでしょう。

 さて、三輪先生の論文では、対象症例数が不明ですが、漢方薬の当帰芍薬散を用いた治療法の有用性が示されています。
 ここでは当帰芍薬散内服例とステロイド点鼻例を比較しています。
   前者の治癒率:54.1%、 改善率:71.3%
   後者の治癒率:23.9%、 改善率:67.4% との記載です。
 当帰芍薬散には、中枢神経系におけるアセチルコリンエステラーゼの活性を高め、また神経成長因子の増加作用も有しているようです。私も、前述した通り9月中旬からこの当帰芍薬散を使用しています。
 本来ならば1日3回食間に内服しますが、私の場合下痢がひどくなってしまうため、1日1ないし2回の内服にとどめています。

 また、末梢神経治療薬のメコバラミン(ビタミンB12の一種)もよく治療に使われているようです。
 軸索再生や髄鞘形成を促進させる効果や挫滅させた神経における神経伝達物質の減少を抑制させることが動物実験で示されているようですが、異嗅症についてのエヴィデンスはありません。
 しかし薬価がとても安く副作用も極めて少ない薬ですので、私も漢方と一緒に使いはじめました。
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<予後>
 ほとんどの論文で感冒後嗅覚障害の改善率は40~60%となっています。
 ただ、嗅覚低下はなかなか認識しづらいこともありますし、認識していても医療機関にかからないケースの方がはるかに多いでしょうから、データは目安ということでしょう。
 Portierらの論文では、感冒後異嗅症の改善率(おそらく未治療)は41%としています。
 三輪先生の論文における治癒率は上記の通りですので、放っておいたらなかなか治癒しにく病気と言えそうです。

 以上5回に分けて、異嗅症について私が調べて理解できた範囲の事象を書き連ねてきました。
 エヴィデンスは少なく主観が多いのが難点ですが、参考にしていただけたら幸いです。
 5年ほどかかって治癒した症例の報告もありますので、焦らず諦めず、気長に対峙してゆきたいと思います。
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by musignytheo | 2013-10-22 19:25 | essay | Trackback | Comments(0)

Wearing a fleece jacket

こんにちは、ぼく、ておでしゅ。
きょうは、あめがふって、さむかってでしゅね〜
でもぼくは、あたらしいふくのおかげで、あったかだったんだよ。。
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どうでしゅか?
かっこいいでしょ〜
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とうちゃんの、せんぱいが、つくってくれたんだって。。
おーだーめいど、なんだって。
ではみなしゃん、おげんきで〜
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      Y先生、おかげげさまでぴったりです。
      ありがとうございました!
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by musignytheo | 2013-10-20 19:50 | dog | Trackback | Comments(0)

DUBL Aglianico

2005 Rosato Brut Aglianico, DUBL

 茜色に輝く、ほとんど泡を感じない液体。注いだ直後にもほとんど泡は立たず、いわゆる自然派の微発泡するスティルワインなみ。色調はとても美しい。
 グースベリー、ラズベリー、マルメロ、プラム、ハイビスカス、ジャスミン、ミネラル、クミンやアニス、蜂蜜やナッツ、土っぽい大地香も。赤ワインと白ワイン、両方の香りを備えている。
 味わいは、滋味深く旨味が多い。タンニンもロゼとしてはかなりしっかりと感じられ、赤ワインのような振る舞い。アルコールが13.5度と高めなこともあってなかなか力強い。しかしこの何とも言えぬ純粋さと凝縮の具有、独特の雰囲気は、明らかにセロス!
 赤ワイングラスで温度を上げ、ゆっくりと味わうにふさわしい。ブラボー。
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  牛肉のインボルティーニ シシリア風
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  キュウリとコーンのライタ
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by musignytheo | 2013-10-15 20:06 | wine | Trackback | Comments(0)

Parosmia 4

 7月末、突然発症した私の異嗅症ですが、9月中旬から内服しはじめた漢方薬とビタミン剤のおかげなのか、それとも単なる自然経過なのか、若干軽快してきました。
 メンソールやアルコールを嗅ぐと例の石油香を感じはするのですが、その奥から本来の匂いもある程度分かるようになってきたのです。あくまでも、ある程度ではありますが。
 それでも改善には違いありませんので、気長に内服はつづけてみたいと思います。
 治療薬については、次のブログにまとめて記載する予定です。
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 さて、前回異嗅症についてのスペキュレーションをご紹介しましたが、最後に書きましたように、嗅細胞の個性の軸索末端におけるその表現についての論文を読んで、また違った仮説を考えてみました。
 2006年当時東大にいらした坂野先生、芹沢先生の「接着分子の組合わせによる神経個性の分子コード化」についての研究は、難解でしたが、少しずつ読み進めると概ね理解できました。
 脳は数千億個の神経細胞の集合体ですが、神経細胞はネットワークを形成しています。このいわば配線の先端では、お互い意味のある認識をしており、それゆえ高度な情報処理が行えるはず。この認識に用いられるコードの分子形態を嗅細胞をもちいて明らかにした研究のようです。

 ヒトの鼻腔の天井には嗅細胞が1千万個存在するようですが、この多数の嗅細胞が有する嗅覚受容体は約1000種類あることが分かっています。ところで、それぞれの嗅細胞にはたった一つの受容体しか存在しません。ここで検知した匂いの情報は電気信号に変換されて篩骨を貫いて嗅球に伝達されますが、前述したとおり匂いの分子と受容体は一対一対応ではありませんので、1000種類の受容体からの情報はあたかも電光掲示板の発火パターンのようになって脳に認識されていると考えられます。
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 さて、嗅細胞の軸索は嗅球のなかの糸球体という構造に集まりますが、糸球体の数は千対で、興味深いことにまさに1000種類の受容体にそれぞれ対応しています。ある受容体を持った嗅細胞の情報は、すべて特定の糸球体に収斂するというわけです。神経細胞(嗅細胞)の個性が発現する嗅覚受容体の種類として明確に定義できるのは、面白いですね。
 同種の受容体を持った嗅細胞の軸索末端は、同種の糸球体に集まってくる。それを可能にする分子構造の特定をしたというのがこの研究です。同じ受容体構造を有した嗅細胞由来の軸索を集め、同種同士を接着させるのが接着分子であり、異種の軸索末端の集合を阻止するのが反発分子。これらが制御されることで、1000種類ずつの嗅細胞と糸球体の機能的な対応が可能になっているのです。
 研究の実際は、一種類の嗅覚受容体遺伝子をほぼ独占的に発現するトランスジェニックマウスや、接着因子を強制発現する嗅神経細胞とそうでないものをほぼ半数ずつ作り出すモザイクマウスなどを用いて行われています。そして、詳細は省きますが、嗅覚受容体の種類によって規定される神経個性が電気信号の発生頻度に変換され、最終的には複数の接着分子の発現を制御する事により、それらの量と組み合わせという分子コードが軸索末端に表現されているのがつきとめられています。
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 この研究結果を鑑みて異嗅症を説明するとしたら。。
 外傷性の異嗅症の場合、篩骨の損傷も伴うでしょうから、当然糸球体も障害を受けると考えられます。しかし一様に広く嗅細胞が損傷を受けるとは考えにくい。外傷直後から異嗅症が発症しやすいのは、嗅細胞の個性に則した糸球体への軸索の収斂が阻害され、嗅中枢へ伝わる発火のパターンにエラーが生じるということでしょうか。
 感冒後異嗅症では、深部まで感染が及ぶとは考えにくく嗅粘膜までの損傷でしょうから、糸球体は正常のはず。ダメージを受けた嗅細胞が再生する過程で接着分子や反発分子の発現にエラーが生じ、収斂すべき糸球体に軸索が届いてゆかないのが原因でしょうか。当初は嗅細胞自体がある広さを持って一様にやられるために嗅覚低下が起こりますが、徐々に再生する過程で一部の収斂に生じたエラーが異なった匂いのパターンを生み出してしまうと考えることは可能と思われます。

                                         つづく
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by musignytheo | 2013-10-10 20:00 | essay | Trackback | Comments(0)

Jadis

2007 Sancerre Jadis, Henri Bourgeois

 中くらいの濃さのイエロー。澄んで輝きがある。
 レモンキャンディー、ミネラル、レモングラスなどの香り。香りの複雑性は乏しいが、どことなく品がある。
 高めの酸(本当はもう少し欲しかった)、充実したミッド、アフターの軽い苦味。上品なサンセールで、普段飲むのなら申し分がない。でも同じつく手、同クラスのd'Antanのほうに惹かれる。
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  鮭の香草漬け
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  オニオングラタンスープ
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  舌平目のムニエル グルノーブル風
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by musignytheo | 2013-10-08 19:39 | wine | Trackback | Comments(0)

Blackjack

 下界の気温は30℃を越え、真夏日でしたが、ここノースランドは20℃そこそこの過ごしやすさです。
 例年なら空気が乾き日中でも肌寒いくらいのはずですが、台風の影響かどんよりと湿潤していて、秋を感じるふうではありませんでした。
 それでも周囲の山々の山頂付近には、うっすらと紅葉がはじまっていました。
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 看板犬の、チョロQくん。
 元気に迎えてくれました。
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 さて、今日のパートナーはレイニング・ホースのブラックジャックくん。
 先日、来年の大河ドラマの撮影に出向いて、合戦シーンのなかで粗野に扱われたのでしょうか、しばらく耳に触れられるのを異常に嫌がったり、後ろ足を引きずり気味にしたりとストレスを抱えてしまったようですが、スタッフの皆さんのもとにかえって安心した日々を送り、今日は穏やかな表情でした。
 最初は気持よく乗っていた(もちろん上手にと言うわけではありませんが)のですが、駈歩になったらスピードの制御がうまく出来なくなり、からだに余分な力が入る、馬は心地が悪く速くなる、さらにからだが硬化、という悪循環に陥ってしまいました。
 馬は乗り手の心を瞬時に見透すといわれますが、まさにそんな乗馬です。
 いろんな馬に乗ってみることは、良い経験になります。
 この事実についてのインストラクターKさんのサゼスチョンも大いに勉強になりました。
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by musignytheo | 2013-10-06 20:05 | riding | Trackback | Comments(0)

Parosmia 3

『異嗅症について』

<概念>
 異嗅症(parosmia)は嗅粘膜性嗅覚障害に分類され、感冒や外傷が原因となって「匂いが今までと異なって感じる」「どの匂いも同じ匂いとして感じる」といった症状を呈します。
 その多くは嗅覚低下や嗅覚消失を伴うと報告されています。
 異嗅症を引き起こす対象物としては、コーヒー、香水、果物(メロン、バナナ、柑橘)、ペパーミント、タバコ、チョコレートなどが多いようです。
 ここでは複雑化をさけるために、対象を感冒後異嗅症にしぼって述べてゆきたい思います。

<出現時期>
 感冒罹患後嗅覚障害では、障害発症直後に異嗅症を自覚する症例は23%と少なく、多くは発症後3ヶ月以上経ってから、なかには1年以上を経て自覚症状を感じるようです。
 かぜをひいてしばらくは匂いがよくわからなかったのだけれど、時を経て急に異臭を感じるようになるというのが一般的な発症様式です。
 私の場合もまさにこのパターンに属します。

<発症機序の推論>
 まず三輪先生の推論です。
 感冒罹患後嗅覚障害では、病変は嗅粘膜に限局されている可能性が高いと考えられます。
①変性した嗅細胞が、再生の際に本来結合すべき嗅糸球体への接合に乱れが生じた。すなわち嗅細胞と嗅糸球体との過誤接続が原因であろう。
②嗅細胞障害後、そのすべての再生が完成しないため、部分的に嗅細胞と嗅糸球体との接続が不十分であるのが原因であろう。
 これらの場合、匂いの分子が嗅神経受容体と結合しても従来と同様の反応パターンが得られないために異なる匂いとして認識されるのだと推測されます。
 異嗅症が障害発生後しばらく経ってから発症するのは嗅細胞の再生の過程で起こる病理と考えると、上記を裏付けすると思えます。
 すなわち、炎症によって嗅細胞と嗅糸球体との連絡が絶たれると、その程度や範囲によって嗅覚消失や低下が発生する。
 時間とともに嗅細胞が再生し、糸球体と再交通しはじめると嗅覚はもどってくる。
 しかしこの際に生じる過誤接続や系統的でない連続が異嗅症を発生させるのだろう。
 理にかなっていると思いました。
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Portierの推論は。。
 異嗅症をきたしやすい物質がコーヒー、香水、メロン、バナナ、柑橘類、タバコ、チョコレートであることは、多くの患者に共通している。
 これらすべてには、水溶性ポリフェノールであるタンニン酸が含まれている。
タンニン酸は食習慣や食事の代謝にある程度影響し、抗酸化作用や抗変異原性など多くの生物学的特性を持っているが、嗅粘膜や嗅覚神経組織の支持細胞におけるシトクロムP-450の統合に感受性の高い抗酸化物質としての特性が異嗅症の発生に関与しているのではないかと考えられる。
 興味深い推論ですが、異嗅症の感染後の遅発性を説明しにくいように思えます。
 ポリフェノールが関与する嗅細胞のみ、治癒機転が遅れるということでしょうか。
 私の場合、赤ワインで異嗅がおこるのに黒ぶどう(ベリーA)の果汁やチョコレートでは感じませんので、この仮説の関与は否定できませんが、これだけでは異嗅症を説明できない気がします。
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私の推論は、、
 嗅上皮に存在する嗅覚受容タンパクはマルチジーン群をなしていることが分かっているようです。
 これらは既にクローニングされており、ヒトでは約400の嗅覚受容遺伝子があるとのこと。
 ところでこれらの嗅覚受容タンパクは嗅覚上皮上に帯状に発現・分布しています。
 一方、嗅覚受容タンパクは様々な匂い物質のエピトーブを認識する(匂いの分子と受容体は一対一対応ではない)ものの、ある程度匂いの系統による局在性が存在すると動物実験から分かっています。
 感冒をきたすウイルスは100種類以上あり、多くの場合複合感染ですから、感染の病態は確率論から考えれば無数にあるといえます。
 例えばある感染が鼻腔の上部に炎症をおこしやすく嗅上皮に感受性が高いこともあるでしょう。また嗅上皮の中でも特定の部位に感染を強く起こしやすかったとすれば、ある系統の嗅覚に強く異常を来たしやすいこともあるでしょう。
 また、嗅上皮細胞の匂いに対する興奮応答性マトリックスを見ますと、ただ1種類の匂いに応答する嗅細胞はわずかで、多くは2~15種類の匂いに対応しています。
 単一嗅細胞の信号は、ただ一本の嗅神経によって嗅球に伝達され、また細胞間には連絡や干渉がないことも分かっています。
 以上から、嗅細胞の感受した刺激は嗅覚中枢で複雑な処理・統合を経て匂いとして意識にのぼることが推測され、治癒過程の局所的な差異に起因して異嗅症を発症することがあっても不思議ではないと考えました。
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・・・とここまで書いてから、2006年にかの"Cell"に掲載された東大の芹沢先生の論文を見つけました。
"A Neuronal Identity Code for the Odorant Receptor-Specific and Activity-Dependent Axon Sorting" という題のarticleですが、恐るべき内容の濃さで大変興味深く読ませていただきました。
 その結果、parosmiaに関する推論もちょっと考え直さねばいけないなと思っています、、、
 ブログに載せたばかりなのですが、汗。
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by musignytheo | 2013-10-02 20:02 | essay | Trackback | Comments(0)

Fourrier

2008 Morey-Saint-Denis Clos Solon VV, Domaine Fourrier

 ほんのりレンガ色が見えはじめたルビー色。
 果実香はカシス。シャンピニオンや大地の風味。とてもピュアでナチュラル。
 味わいは、ちょうど良い(しっかりした)酸、充実した旨味、なめらかなタンニンとも申し分ない。 Fourrier の最も手軽なワインなのだが素晴らしい。リリースされてすぐに手に入れたが、今やその頃の倍の価格でしかも入手困難になってしまった。この作り手の人気の高さも頷ける魅力的なワインだった。お決まりの蝋キャップ。
 バラはL.D.Braithwaite
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  Filet Mignon Fume
  O君のフランス土産。ごちそうさま。
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by musignytheo | 2013-10-01 21:53 | wine | Trackback | Comments(0)


Wine and Roses, Dalmatian and Labrador.


by musignytheo

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