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Kistler

2005 Chardonnay, MacCrea Vineyard, Kistler

 ほんのり若草色をおびる黄金色。液体はとろっと濃く、蜜を思わせる。澱がごく少量瓶の底にあった。
 香りはとても複雑。オレンジの花、白百合、洋梨のコンポート、マルメロ、タラゴン、タイム、オリーブ、蜂蜜。豊かなミネラルは見事。バニラ、クレームブリュレ、発酵バター、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ。
 不安にさせたり気を揉ませたりなどという態度は皆無で、はじめから香りは全開。その後もほとんど変化しなかった。
 アタックからボリューム感豊かで、酸の質も申し分ない。中盤もふくよかで厚い。オイリーで濃く、味わい深いワインに違いない。
 こういうスタイルは試飲会では有利だろうが、料理とともに時間をかけて楽しむとなると力量を見透かされるもの。はじまりもなく終わりもないような、濃淡や陰影に乏しいワインが、どうしてモンラッシェと比べられようか。
 パワーや凝縮とフィネスが相容れないと言うわけではない。豪奢のなかに、はっとさせられる繊細な襞、光と蔭の織りなす微妙な陰影を見つけたとき、フィネスに出会ったと感じるような気がする。
 ウェブ上に溢れるコート・ドールのグランクリュを凌駕などという空疎な言葉は信じないほうがよさそうだ。
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   スモークサーモンのサラダ仕立て
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   天然海老のムニエル ノワゼットバター・トマトソース
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by musignytheo | 2012-03-15 21:18 | Trackback | Comments(0)

Optimism

「いつも体が揺れているような気がします。停電した暗い部屋に一人でいると、押しつぶされそうな気がしてとても怖いです」
 第二次大戦で兄弟を失い、数年前病気でご主人に、さらに不慮の事故で昨年息子さんに先立たれた老女は、おおきくまがった腰を丸椅子にあずけ、くぼんだ眼窩の奥からおびえたような視線を私にむけておっしゃいます。
 ご主人が逝かれたとき、しばらく無口だった彼女。
 息子さんが逝ったときにはあふれる涙がこらえきれず、ひとしきり診察室ですすり泣いていらしゃった。
 しかし、二ヶ月がたち、三ヶ月、半年とすこしずつ彼女が表情にやすらぎをとりもどしていったことを、私ははっきりと覚えています。

 私は仕事柄、たくさんの別れに接してきました。
 たえがたい悲しみにあっても、突然絶望の淵に落とされても、人はきっと立ちなおることができる。
 そういう人間の秘めた力を、教えられてきました。

 いま私たちに求められていることは、被災者の皆さんがそなえた心の力を信じ、精一杯支援することではないでしょうか。


「放射能がやってきて、ここには住めなくなるのでしょうか。そう思うと、いまご飯が食べられること、あたたかく暮らせていることがしあわせです。いつも見慣れた遠くの山がきれいに見えました」
 花粉症の薬をとりにきて、こういったのは、まだ二十歳そこそこの若者です。
 最後の一言が、私の気にかかりました。
 こう世界を見てしまう彼の瞳をのぞきながら、芥川の「末期の眼」を想い浮かべました。
 死を決意すると世界が氷のように透み渡って自然がこのうえなく美しい、と書いた芥川の「眼」です。
 若者の心をおおっているあきらめの感情が、彼の瑞々しい肉体とあまりに不釣り合いに思えました。

 先週末発売された週刊各誌は、いっせいに原発事故が危機的であるとつたえたようです。
 まったく予断がゆるされないことは、間違えなさそうです。
 外国人が東京を去ってゆく後姿に、恐怖が増幅される心地がします。
 東日本にはもう住めない、西に移動しよう、と煽動するうごきもあるそうです。

 昨夜犬の散歩に出かけたら、週末なのに街はひっそりとしていました。
 月が家々の屋根を青白くうつしだし、あたりに寂寞とした空気が満ちていました。
 被災しなかった私たちが萎縮してしまえば、経済は一層冷え込み、今後何年もかかるであろう復興の妨げになります。
 「末期の眼」という日本人特有の美意識は、ここでは封印すべきでしょう。
 今は破滅を近寄せるだけです。

 消防隊員のまさに命をかけた放水、自衛隊員の決死の作戦。
 美しい心をもった勇士を育んだ日本を、信じたい!
 今私たちが忌むべきものは、風評であり、放棄であり、悲観です。

「私は大丈夫だと思う、臨界なんてないよ、きっとしずまるから」
 にこやかにおっしゃったのは、肺気腫なのに煙草をやめるつもりのないSさん。
 耳元に来るいつもの大きなだみ声が、はじめて心地よく感じられました。
「あんた日本人を信じなさいよ、日本人の英知を」
 東大の工学部で学び、一部上場大企業の副社長をつとめたこともあるSさんには、良い意味でのオプティミズムがあふれていました。
 重みのある彼のことばは、私の考えを強く後押ししてくれました。

 停電を経験し不自由な生活のなかで考えると、経済活動とは人やものの移動、つまりエネルギーの消費を必ず伴うものだと痛感します。
 そのエネルギーのほとんどは、化石燃料だと。

 今週後半には、製油所の機能は回復し、ガソリンも灯油も次々と供給されてくるようです。
 被災者を支え、今後日本が立ちなおっていくためには、ペシミズムに浸っている時間はありません。
 「末期の眼」は今は不要です。
 まずは普段どおりに、いつもやってきたように行動したいものです。
 停滞していた経済がさらに沈下してしまっては、被災者を充分助けられません。
 その上で、長期的なエネルギーに関する政策には、今後全国民が監視の厳しい視線を注ぎつづけることが必須ではないでしょうか。
 風力、太陽光、潮力などクリーンエネルギーへのシフトについても、本気で考えていく必要がありそうです。

 各界から支援の輪が広がっています。
 様々な方法もあるようです。
 被災者の方々がきっと立ちなおってくださること、原発事故がきっと収束することを私は信じます。
 みなさん、日本人の英知を信じましょう。
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by musignytheo | 2011-03-20 15:28 | Trackback | Comments(4)

Wind

福島第一原発の事故は、憂慮される事態になってしまいました。
INES Level 5 以上は明らかで、スリーマイル島事故は越えたようです。

なかからの情報のみですと客観視できないと思い、アメリカ、イギリス、ドイツのメディア情報を読みこんでみました。
みな日本の報道よりも深刻です。

東京にさえ住めなくなるようなチェルノブイリの再来はなくても、関東一円に屋内待避が発令される可能性は否定できません。

ドイツ Spiegel誌のシミュレーションをご参考に。

パニックにならず、冷静に行動することが重要でしょう。
風向きに関心をお持ちください。

原発事故がコントロールされ、被災者の方々に確実に物資が届き、一日も早く復興に道筋がつくことを祈ってやみません。
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by musignytheo | 2011-03-16 12:07 | Trackback | Comments(0)

停電情報

3月15日から18日までの計画停電情報です。
まずはご自宅のエリアを確認して下さい。
時間帯はのとおりです。
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by musignytheo | 2011-03-15 09:35 | Trackback | Comments(2)

お見舞い

 「東北地方太平洋沖地震」において被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 また、犠牲になられた方々とそのご遺族に、深くお悔やみ申し上げます。

 大震災に見舞われながらも、気丈に冷静に対処されている被災者の方々の姿をメディアで拝見し、同じ日本人として誇りに思います。

 わたしたちに出来ること。
 節電、支援、そして祈ることくらいしかありません。

 一日も早い復旧と、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
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by musignytheo | 2011-03-14 11:47 | Trackback | Comments(2)

Caramel Banana Muffins with Chocolate & Walnuts

チョコレートと胡桃の入ったキャラメル・バナナ・マフィン

           家でお菓子教室。      by N。
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by musignytheo | 2011-01-27 19:24 | Trackback | Comments(0)

小満祭

行きつけのそば屋をめざして信州をドライブ。
ところが臼田に近づくと、いつも静かな町になぜか高揚した空気が感じられます。
そのうちに遠くから祭り囃子が聞こえてきました。
あ、そうか、今日は小満祭だ!
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出店もたくさんです。
写真では分かりづらいのですが、当日は10万人あまりの人出だったそうです。
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低俗な看板などは一切なく、純粋な日本的な美を守る稲荷神社。
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美しいといえば、千曲川。
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河岸には自然が残り、人工的な構造物は排除されています。
ゴミ一つ見あたらない美しさは奇跡です。
河を愛する信州人の誇りを感じます。
遠く浅間山を臨む。
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そばは、お好み焼きとたこ焼きと大判焼きに変わりました。
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by musignytheo | 2010-05-21 19:52 | Trackback | Comments(0)

GF-1

デジタル一眼レフに憧れて、思いきって買ってしまいました、DMC-GF-1。
でも、使い方が全然わかりません。
まにゅあると、格闘しましたが、負けています、、、
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kakaku.comを毎日チェックし、狙っていました。
白は黒色に比べて需要が多いのか、一万円くらい高い場合が多いようです。
たまたま、ほとんど違わない値段で出しているショップがアップ。
すかさずゲットです!

でも、いいカメラを購入しても、腕が良くなければダメですね。
一応前回のブログからこのカメラを使ってます。
テオの表情は、少しはいつもよりリアルだったような。。。
もちろん、DMC-GF-1を映した今日のブログは、今までのコンデジで撮ったものですよ!
がんばって、撮影のお勉強いたします。。。
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操作性はとても良いです。
ホールド感は、いま一歩。
でも、やっぱり軽くて、どこにでも持っていけそうです。
レンズがとても明るくてびっくりしました。
写真が楽しくなりそうです。
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by musignytheo | 2009-12-15 19:21 | Trackback | Comments(0)

Quantum and relativity

 量子論と相対性理論。
 知りたくて入門書を買ってもなかなか理解できず、諦めてしまうことが何度もあった。
 たまたま書店で目について購入した二冊。
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 専門外が読んでも非常に分かりやすい。数式を極力排して書かれているので、数学ができなくてもそれなりに理解できる。

 この二冊に出会ったおかげで、こんな本も引っかからず読めるようになった。
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 量子論的物質観・自然観を古代中国の陰陽思想に見いだしたのは、ボーア。
 時空の相対性や決定論でなく観察によって収束する確率論に、意外と違和感はなかった。なぜかこれまでの人生観とすんなり馴染んだのだった。。。?
 しかしこの出会いは、私の世界観・自然観を明らかに変えてしまった。超ミクロや超マクロに圧倒され押し流されるというより、智の久遠を感じ楽しんでいる。
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by musignytheo | 2009-09-26 19:07 | Trackback | Comments(0)

野坂和左

萩窯玉俤山、野坂和左作。ぐい呑み。
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ソレイユのママさんの山口土産。
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一楽二萩三唐津というが、私は萩と唐津、初期伊万里に心が動く。楽は庶民には縁がないだけか。。。
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この酒器も精妙で典雅。ソレママさん、どうもありがとう!
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by musignytheo | 2009-05-18 19:13 | Trackback | Comments(0)


Wine and Roses, Dalmatian and Labrador.


by musignytheo

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